Norton Dominatorですが、これは、トライアンフの5Tスピードツインを倒すために開発された二気筒エンジンのバイクです。ドミネーターモデルは1949から製造されましたが、開発自体は1947年〜1948年にかけて行われました。ノートンは、当時トライアンフの5Tスピードツインのデザインに深く関わったバード・ホップウッドを引き抜き、このバイクのデザインにあたらせました。
ドミネーターにはModel 7(497cc)、Model 77(500cc→後に596cc)、Model 88(497cc:1952年)、Model 99(597cc:1956年),,,,といくつかのモデルがありますが、この88ドミネーターと兄弟車99(596cc)の最大の特徴は、「フェザーベッド・フレーム」にあると言えます。左右2つのループ状のフレームを備えた、この独特のフレーム形状及びリヤサスペンションは、当時マン島のレースで活躍していたレーサー、ハロルド・ダニエルが1950年にノートンのテストドライブを行った際、それまでのプランジャーサスペンションと比較して「フェザーベッド(羽毛布団のベッド)の上で運転しているようだ」と語ったことにその名が由来しています。とはいえ、数年後にはほぼ全てのバイクがスウィング・アームに移行することになりましたが・・・。いずれにしても、メカニズムの移行期における貴重な歴史的バイクとしての価値は高まるばかりです。ちなみに、フェザーベッドフレームは1960年に改良され、上部の左右フレームが狭められました。以降のモデルは「スリムライン」、それ以前のモデルは「ワイドライン」と呼ばれています。
88ドミネーターは1952年〜1966年まで製造された、ノートン初のフェザーベッドフレームのバイクでした。当時、ノートン自体がまだ小さな会社であった為にスケールメリットが得られなかったこともあり、またその独特のメカニズムから、ドミネーター88はライバルのトライアンフのスピードツインやサンダーバードに比べ割高な価格設定でした。それにもかかわらずこのモデルは高い人気を博し、ノートンの名声を大いに高めた1台となりました。
88ドミネーターの初期モデルは、ノートンのトレードマークとも言えるポリクロマチック・グレーのカラー設定のみでしたが、その後1959年からいくつかのカラーがオプションに加わりました。また、モデル名も何度か変更されています。ちなみに1952年は88 Dominator De Lux、1956年から88、1959年から88 Dominator、1960年からは2タイプに分かれ、88 Dominator Standardと88 Dominator De Lux、1961年にはスポーツタイプが加わり88 Dominator Sports Special (SS)、というラインナップとなりました。最終的に88ドミネーターは前述のSSモデルだけが1966まで製造を続けられました。
本バイクですが、1955年製ということでワイドラインモデルです。エンジン、走り共に素晴らしいコンディションで、異音や白煙等もありません。レストア及びメンテナンスがしっかりと施された高いレベルのコンディションです。マッチングナンバー(オリジナルエンジン)です。オイル漏れは年代相応といったところです。細かい傷などはありますが、全体的にはきれいなボディです。
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